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zoom RSS CD化の「功罪」

<<   作成日時 : 2007/03/30 01:33   >>

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 我が家は決して裕福ではありませんが、CDが増え続けています。当然、私のジャズ好きに起因しているのですが、元来50年代、60年代にひとつの黄金期を迎え、LPレコードを中心としてきたジャズにとって、CD化というのは、ファンにとっても、販売する会社にとっても、さまざまな「思惑」と激動をともなうものでした。

 以前にも書いたように、私は、最初からレコードを集めることをあきらめていました。聴きたければジャズ喫茶に行けばよい。それが自論です。だからといって、LPを買い集めてジャズを聴く方々を否定するわけでは決してありません。端的に言えば、お金がかかるので、私にはできませんでした。古本収集を趣味とする方にも「初版」へのこだわりを強く持っている人がいますが、レコードも同様に、オリジナルのプレスにこだわる方がいます。
 ただ、これを集めようとすると、本当にお金がかかります。

 LPとCDの音質の違いについては、私なりに思うところはありますが、専門家ではないので、あえてここでは語りません。ジャズ喫茶などで、レコードの「ジャリジャリ」とした音も含めて「ジャジーだ」と感じる気持ちは、ジャズファンであれば、少なからず理解できるところではないでしょうか。

 今回、CDの話とあわせて、さらりと書こうと思うのは、ソニーロリンズの「サキソフォン・コロッサス」についてです。
 ロリンズファンをひょうぼうする以上、本来、「サキ・コロ」だけで、1本といわず上・中・下、あるいは5回ぐらい書いてもいいのかもしれませんが、さらりと…。

 私がジャズ、特にテナーサックスに魅力を感じ、最初にコルトレーンに傾倒したのは、ロリンズの「サキ・コロ」が、あまりに脳天気に聴こえたからです。
 一方で、しばらく後に、コルトレーンではなく、「やはりロリンズが好きだ」と感じたのは、「サキ・コロ」に歌心を感じたからです。結果、ロリンズにのめりこみましたが、だからといって「サキ・コロ」が名盤か、と聞かれたら困ってしまいます。
 最初は苦手だったけれども、よくよく聴くうちに好きになった。名盤かどうかはわかりません。
 それが答えです。

 逃げるような結論で恐縮ですが、結論は「好みの問題」だと思っています。

 いずれにしても、ロリンズをもっと聴きたい、と思った私は、彼のアルバムをできるだけ数多くCDで集めることを考えました。
 かなり前のことになります。
 当時は、ロリンズといえどもCD化されたアルバムが少ない時代でした(と、いっても何十年も前ではありませんよ…)。

 そこで、私が初体験したのがインターネットでの輸入購入でした。アメリカでCD化されたロリンズのアルバムを、片っ端から注文したのです。
 今思えば、リスキーではありましたが、同時にネットを活用する良い経験でもありました。

 もちろん、当時から、いずれは日本でもCDが発売されるだろう、ということ予測はできました。それでも、一刻も早く手に入れて、聴きたかったのです。

 正直なところ、輸入盤はあまり好きではありません。
一番の理由は、ライナーノーツの英語がよく理解できない(ようするに語学力がない)ことでしたが、もう一点は、開封を防ぐために貼られているシールを剥ぐのが面倒だからです。

 やがて、かなりの枚数のロリンズのアルバムが手元に集まりました。
ところが、どうしてもCDをみつけることができなかった(おそらくアメリカでもCD化されていなかったと思うのですが)作品がありました。「REEL LIFE」(1982年録音)です。

 比較的新しいアルバムですが、確かに決して高い評価を受けている作品ではない。しいていえば、潜水艦のような円盤型の白い物体の上に座ったロリンズのジャケットが印象的といえる程度でしょうか。それでも、ないとわかると、手に入れたくなる。

 この話を、福岡のジャズライブの店でしました。もう10年ほど前になるでしょうか。
有難いのは、またまた人のつながりです。その店でアルバイトをしていた学生が、次に店を訪れたとき、LPから録音したカセットを手渡してくれたのです。手書きで、曲目が書かれているのを目にしたときは、ジンとしました。

 それから間もなくです。ロリンズのアルバムがジャカジャカと日本でCD化、発売されました。

 値段は高いが、とりあえず日本語のライナーノーツがついている。
結局、再度買い集めることとなりました。音質が変われば「サキ・コロ」の受け止め方にも変化が生じるか、などと思った面もあります。

 その後の、日本でのジャズCD発売は、ご存知の通りです。
ブルーノート1500番台をはじめ、次から次へと売り出され、さらに16ビットから24ビットへ。伝説の録音技師ルディー・ヴァンゲルダーによるカッティングを前面に出したもののほか、日本でヒットしたのは「紙ジャケ」。いわゆる、LPを小型化したような紙のジャケットに入れたCDも毎月数十枚の単位で新発されています。

 つい最近も、初CD化、しかも「限定」などの言葉に、ついつい腰が浮き、財布をはたいて、かなりのアルバムを購入しました。

 直近では、アートファーマー&ベニー・ゴルソンの「ミート・ザ・ジャズテット」でしょうか。2002年3月に「初回プレス完全限定盤」として発売されたもので、「未開封」をネットで手に入れました。もちろん有名なアルバムなので、初めて聴くわけではないのですが、発売時にCDを買い損ねていたので…。

 反省もこめて言えば、こういった買い方をお勧めする気持ちはまったくありません。
今では、日本でジャズCDの普及が進み、過去の名盤が、1000円とか1500円、しかも24ビット録音で購入できるようになりました。ありがたいことだと思いますし、初めて聴かれる方にとても、手ごろに名盤が入手できることは、とても良いことだと思います。

 一方で、これも以前に書きましたが、再録の名盤が安価で販売されているため、新進のジャズミュージシャンが苦戦していることも事実です。

 さらにややこしくなりますが、ジャズの場合、日本でCD化されたといっても、J−POPなどとは発売枚数のケタが違いますから、うかうかしていると、入手できなくなってしまうものがあることも事実です。

 例えば、マイルスのビッチェズ・ブリューの完全版(6枚組み)。日本版は、あっという間に店頭からなくなりました。輸入盤はしばらくの間、手に入った(現状は把握していませんが)ので、私はやむなく輸入盤を買いましたが、こだわれば、きりがありません。

 面白かったのは、これも10年ほど前に沖縄・那覇にオープンしたジャズCDショップを訪ねた時のこと。私は、仕事でもプライベートでも、行った先で、できるだけジャズ喫茶やCD店などを訪れるようにしているのですが、その那覇の店の棚には、ゴールドCDがずらりと並んでいました。

 ゴールドCDとは、24ビット録音をうたい、プラスチックの皮膜の下に薄い24金が貼られている金ピカのCDです。その当時、どこぞの会社かが中心となって本土でも売られていたのは知っていましたが、金ピカの盤を見せるために、わざわざジャケットの半分以上を透明にし、本来のアルバムジャケットは縮小されて片隅に印刷されている、というしろものでした。

 あまりに数が多いので、店の人に聞いたところ、沖縄では、ゴールドCDを集めている人がたくさんいる、と言われ、驚きました。将来、お宝探偵団にでも出して、(おそらくせいぜい売値の2倍程度)価値が上がることを期待しているのでしょうか。

 ああ悩ましいかなジャズCD。批判めいたことを言っている私も、ロリンズのアルバムとなると、最初のリーダーアルバムの「ウィズMJQ」を何枚持っていることか。もしかしたら音色が異なって聴こえるのではないかと、輸入盤のほか、プラケースの日本盤、さらには24ビットと称した紙ジャケも自宅の棚に並び、人のことをとやかく言える立場でもありません。

 近く、UKでロリンズのベスト盤が出るそうで、各アルバムの抜粋であることをわかっていながらも、ついネットで予約してしまいました。バカですよねえ。

 今回、長行になってしまいましたが、ロリンズ絡みで、あとひとつ。
リットーミュージックという出版社が、「SAX&BRASSマガジン」という季刊誌を発刊しています。現在第2号。
 「リットー」という名前から、かつて「ジャズライフ」を出版していた立東社が復活したのかと思ってしまい、確認もしたのですが、まったくの別会社でした。(ちなみにジャズライフは三栄書房が引き継いで発売を続けています)。

 スイングジャーナルに対して、ジャズライフ同様、プレーヤー向きの雑誌です。
とりあげたのは、第2号の中で、ロリンズが参加したザ・ローリング・ストーンズのアルバム「刺青の男」について書かれているからです。

 特に「友を待つ」という曲のロリンズの演奏について、「このジャズ界の巨匠は、何ということか98%をDメジャー・ペンタトニック・スケールだけでプレイしている!(コード分解やクロマチック・ラインなどのジャズっぽいフレーズは皆無)」と記し、さらに、
「これはストーンズのアルバムである。世界規模セールスが約束されたアルバムなのだ。並みのプレーヤーなら”一生に一度の晴れ舞台”という気持ちで、最高のプレイを残そうと考えるかもしれない。しかしここでのソニー・ロリンズは、とてもリラックスして、エモーショナルでメロディアスな素晴らしいソロを残している」

 ジャズ理論については、私も理解していないので、別に何スケールであろうが、気にしていただく必要はありませんが、ロリンズらしさを書こうとしている筆者の気持ちが伝わり、短い文書ながら、うれしくなったので、最後に付記します。

 LPがカセット、CDへと移り変わったように、CDが果たしていつまで残っているのかわからない、ということも言えます。すでにハードディスクの時代ですから、現実に変動は起きているわけで、そうなると、私が集めた●千枚は、一体どうなるのでしょうか(笑)。

 とはいえ、CDにより、ジャズの名曲を集めたコンピュレーションアルバムも多数発売されていますし、詳しくならなくても、多くの人にとって、ジャズを聴く機会が増えたことは喜ばしいと思っています。

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内 容 ニックネーム/日時
しゅうさん今晩は。私のブログへコメントをいただいていましたので、どんなブログを書いている方だろうと思い、来てみました。

内容からして私と同世代と思いきやプロフィールを見たら、私より11才ほど若い! CD●千枚なんてその枚数だけでもひれ伏してしまいます。

私の学生時代はレコードで、CDになったのは会社に入って数年してからでした。CD時代になって最初の頃は如何にレコードとダブらずCDを買っていくかを考えながら買っていました。現在ではレコードはほとんど聴かなくなりましたので、だぶりとか考えず聴きたい曲をCDで買うようにしています。

ところで私のブログにはどういうところからアクセスされたのでしょうか。興味があります。何かを検索して引っかかってきたとか。差し支えなければ教えて下さい。

またお邪魔します。
インキーパー
2007/03/31 22:53
インキーパーさん
訪ねてくださって、ありがとうございます。
同じプロバイダーを使われていることもあって、いろいろな方のブログ(特にジャズに関する)を検索しながら拝見していたのですが、インキーパーさんのブログに熱い思いを感じ、どうしてもコメントさせてもらい気持ちになって、書き込みをいたしました。
実のところ、私の突然のコメントに対しても、とても心を込めて返事を書いてくださったので、「もっと聞かせてください」と書き込ませてもらうべきかどうか、迷っていたところでした。
「二十歳の原点」は、私にとって若き日の「関門」のような一冊でした。当時は、高野さんが最終的に、死を選択された意味について、いろいろなことを考えさせられました。
私のブログは、タイトルの通り、あれやこれやと横道にそれてばかりで、ジャズについても、大好きでCDを集めてはいますが、知識として詳しいわけでもなく、聴いていると和む、というレベルです。
私の方こそ、またお伺してよろしいでしょうか。
どうぞ宜しくお願いします。
しゅう
2007/04/01 22:09
こんばんは。ご無沙汰しております。最近やっと他の方のブログをちらほらと見る精神的余裕がでてきました。
「友を待つ」のロリンズの演奏ですが、ウソか本当か、「イメージが湧かないから踊ってくれ」とミック・ジャガーに言ったそうです。
「刺青の男」はほとんどリアルタイムで聴いていたんですけど、当時はソニー・ロリンズなんて全然知らなくて、ただ「いい曲だなぁ」と思いつつ聴いていました。サックスのソロはエコーがガンガンにかかっていて、とても爽やかな演奏だったと記憶しています。今でもレコードは持っているのですが、奥にしまってあるので出すのが億劫なのです(笑)。来週あたり引っ張り出して聴いてみます。
CDは意外と長く残るのではないでしょうか?SACDやDVDAが出ても未だに存在してますから。LPがCDに入れ替わってゆく勢いの凄まじさと比べると、どうもそう感じます。LPもまだ残ってますし。
今後とも宜しくお願いします!
rollins1581
2007/04/09 00:18
rollins1581さんへ
ご無沙汰しております。
コメント、ありがとうございます。私の方が余裕を失い、返事が遅れて失礼しました。
私もストーンズとロリンズは、まったく結びつかなかったのですが、演奏者を考えずに聴くと、かなり出来の良い曲ですよね。サックスソロも弾けています。改めてロリンズの幅の広さを感じた一枚でした。
CD、残ることを信じて(笑)
こちらこそ、今後ともよろしくお願いします。
しゅう
2007/04/15 00:11

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