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zoom RSS 葦について人間は考えるべきである

<<   作成日時 : 2007/02/03 22:57   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 6 / トラックバック 0 / コメント 2

 初めに断っておきますが、理屈っぽい話です。「人間は考える葦である」と言ったのは、フランスの哲学者であり数学者でもあるパスカルですが、今回タイトルにつけた「葦について人間は考えるべきである」と感じたのは、挫折したテナーサックスを練習している時でした。

 ご存知の方も多いと思いますが、サックスという楽器は、ベルギー生まれのアドルフ・サックスが発明したもので、実に中途半端な楽器です。金属でできているので金管かといえば、そうではなく、クラリネットと同じ木管楽器に属します。また、歴史が浅いため、クラシックの世界では、「脇役」で、サックスさんの意図に沿っていたのかどうなのか、ジャズという分野で花開いたといえます。

 この「リード」の素材が、一般には植物の葦から作られます。マウスピースに組み合わせ、唇にはさんで振動させて管を響かせる。極めて単純に言えばそういうことになりますが、近年、このリードが危機的状況にあります。

 これも簡単に言ってしまえば、環境問題。つまりは良質な葦が採れなくなってきたためです。ど素人の私のような者は、その違いが良く分かりませんが、サックス奏者の話を聞くと、一箱(10〜24枚入り)のリードを買っても、納得のいく音が出るのは、下手をすれば1、2枚とか…。プレーヤーによっては、演奏の合間の乾燥を避けるために、水分のある布に浸したり、あるいは、マウスピースからはずさずにカバーをつけ、例えばオットーリンクというメーカーのマウスピースカバーであれば、あいている穴にテープを張って、水分が飛ぶのを防ぐ、など、様々な工夫をしているようです。

 最近では、プラスチックでできたリードも売られていますが、相対的には葦を使っている人が圧倒的に多いでしょう。

 今の自然環境を考えると、結構深刻に考えざるをえません。

 そもそも論で楽器について語れば、以前、同じピアノを弾いてもプレーヤーによって個性が生まれてくると書きましたが、管の楽器は、場合によってはそれ以上に身体と一体化して音を出しているといってもよいように思います。

 「弘法は筆を選ばす」で言えば、プラスチック製のサックスでも平気で吹き鳴らしていたチャーリー・パーカーのような人もいますが、基本的には、極めてその人の体と楽器が密接な関係を持って、音色、個性が生み出されます。

 よく「唇の厚い人は、サックスのようなリード楽器が向いている。逆に薄い人はトランペット」などといわれますが、まんざらはずれてはいないように思います。もちろん例外はありますが。

 例えば「帝王」マイルス・デイビスはどうだったのか。
まったくの独断で言わせてもらうと、唇は薄かったが、決してペットが上手ではなかったように感じます。それでも彼の演奏に感動を覚えるのは、自らがそのことに気づいていたためかどうかわかりませんが、「ミュート」という強力な武器を得て独自の音色を作り上げ、そこから先はエレクトリックまで、奏法はもちろん、機材への革新的な取り組みが功を成したように思います。

 では、身体そのものを十分に生かしたプレーヤーとして、誰の名前を挙げるべきか。
もちろんロリンズもその一人だと思いますが、先人をたどるとベン・ウェブスターが思い浮かびます。

 彼は、まさに楽器を自分の身体の一部として、歌うように演奏をする名手。ゆったりとしたサブトーンの響きを耳にすると、良い意味で「人くさい」安心感をおぼえます。

 「葦について考える」。身体+自然の素材+楽器の融合で成り立つ音楽だと受け止めると、最近ライブハウスなどでよく耳にすることとして、念頭に置いておきたいと常々感じます。

 今晩は、自宅でちょっとリッチにブラントンのゴールドを飲みました。ストレート・フロム・ザ・バレルと比べてしまうと、純粋な樽出しの味わいの深みにはかないませんが、やはり旨いです。
 旨いバーボンを飲みながら、環境保護を語る。ちょっと説得力に欠けるでしょうか。(笑)
しかし、事態はやはり深刻です。良いジャズを聴き続けたいですから…。

シー・ユー・アット・ザ・フェア
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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
しゅうさん、こんばんは。
いえいえ、説得力に欠けません。とボクちゃんは思います。昨今まじめに話をする機会が随分少なくなりましたからね。議論を戦わせるなんてことほとんどありませんからねえ。
確かに世間一般では、相手の立場だとか、生活態度とか、様々な事情を持ち出して「言う資格がない」とか「言える立場か」とか言う人がいる事も事実でしょう。
でも、ボクちゃんは思います。言っている人よりも、その人の言っている言葉とかその内容に耳を傾け、それが正しいのであれば賛同すれば良いだけだと。そんな風に努めている日々です。が、そんなことを面と向かって言う事はありません。言うと場が気まずくなりますからね。
時にはお酒を飲みながら、まじめな話を、時には議論を戦わせるのも良いのでしょうね。相手にもよりますけどね(^_-)-☆

2007/02/03 23:51
翔さん、こんばんは。
コメントありがとうございます。時にはでなく、しばしば飲みながらですが(笑)、たまに頭の中をこねくりまわす作業が自分にとって必要なのかなあ、と思うことがあります。おっしゃるとおり、相手の立場は尊重し、低い目線で物事を見る姿勢でいられたらいいな、と。音楽は文字通り楽しむものですから、理屈っぽい点はお許しください。議論するテーマがあったら、その時は、とことん話し合いましょう。
しゅう
2007/02/04 01:13

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