癒しとジャズとバーボンと……

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zoom RSS 「ちぐさ」の思い出

<<   作成日時 : 2006/12/08 01:16   >>

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 横浜・野毛のジャズ喫茶「ちぐさ」。
近く閉店のニュースが新聞に掲載されました。

 正直なところ、私は多くを語る立場にはありません。
なぜなら、常連にはなれなかったからです。

 しかし、私が生まれて初めて入ったジャズ喫茶は「ちぐさ」でした。

 野毛の最寄駅は桜木町。変貌を遂げました。
私が育った思い出の桜木町は、紅葉坂に向かう方角。
 MM21ですっかり変わった海側とは反対側です。

 高校生の時でした。実は、まだジャズもほとんど知りませんでした。

 「いいな」と、感じ始めていた頃に、「ちぐさ」の存在を知り、訪ねたのです。

 恐かったです。マスターの故吉田さん。
どういう「作法」で入るべきかもわからず、ドキドキしながら席に座ると、テーブルの上に
ドサッとリクエストブックが置かれました。

 わからなかったんです。何を、どうリクエストしていいのかすら。
パラパラとめくって、指差したのが、ロリンズのアルバム「アルフィー」でした。

 映画「アルフィー」のテーマが、こじんまりとした店内の大きなスピーカーから流れ出し、
身体が固まったような状態で、コーヒーの味もわからず、聴いていた。それが、私の「ちぐさ」デビューの思い出です。

 マスターは、2曲目が終わったころ、若い店員に向かってフッと首を振り、店員はそさくさとレコードを取り替えました。

 日本のジャズ界、ジャズプレーヤー、ジャズ喫茶の中で、その名が知れ渡った「ちぐさ」とマスター。

 あの小さな店に秋吉敏子や渡辺貞夫などが集まり、セッションしたということは、後から知りました。マスターがピアノ好きだった、という情報は、私がつかんだガセネタかもしれません。

 みなとみらいが出来る前の桜木町は、横浜の中でも独特な雰囲気を持った街でした。
京浜東北線のガード下にペイントが始まったのも、そのころです。

 目に入るのは、ショッピングビルの「ぴおシティー」と、通い詰めた牛丼の吉野家。
駅の立ち食いそば屋の鳥そばも、癖になって何杯食べたかわかりません。

 一緒に遊んでばかりいた高校の同じクラスの野郎どもが、当然のごとくそろって浪人し、桜木町駅前の労働福祉会館の図書室に通っては、とりあえず勉強したものです。

 「あの時に、ちぐさで何をリクエストすべきだったんだろう?」。
今でも時々、考えることがあります。
 
 今なら、ピアノのビル・エヴァンス。アルバムは、うーむ。「アンダーカレント」だろうか。

 最近のアマゾンの売り上げランキングで、「アンダーカレント」が上位になっていました。

 違ったかなあ?
ちぐさで、もっと勉強したかったです。ジャズのことを。
アンダーカレント
アンダーカレント

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 現存する最古のジャズ喫茶である横浜のちぐさが来年の一月で閉店すると言うお話を聞きました。 ...続きを見る
ジャズ屋未満トラキチ未満(Sonnyプロ...
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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは、
僕も中学生の頃、鹿児島市内にある「コロネット」という音楽喫茶で"ドデカイ"スピーカーから伝わるジャズの鼓動に震撼したのを覚えています。ラジオ・テレビ以外の知らなかった音楽との出逢いが始まった素敵な場所です。
もう二十年以上行ってませんが、いろんな曲と思い出がよみがえります。
http://gifty.jugem.jp/
mit-s
2006/12/09 21:03
まさに”ドデカイ”という言葉がピッタリですよね。初めて店で聴いた時には、「こんな大きな音量で、どうするんだ?」と、私も思いました。
ところが、この身体中が痺れるような感覚が、だんだんとクセになってしまうので、音楽っていいですね。やっぱり。
しゅう
2006/12/10 05:08
しゅうさん、はじめましてSonnyと申します。
ちぐさの記事をブログに書いて、他のブログでも書いていらっしゃる方がいるかと検索しここにたどり着きました。
URLに誇らしげなSonny Rollinsの文字。通り過ぎるを得ずコメントさせていただきます。
ちぐさでのリクエストですが、アルフィーで私は正解だったと思います。お店に方からリクエストを望まれたのですから、レコードリストにあった以上、アイラーの「ゴースト」でもかまわなかったと思います。
私自身はジャズ喫茶ではリクエストしない主義だったのでちぐさでは結構困っていました。
ブログを拝見すると、かなりのジャズファンの方で、しかもロリンズ好きのご様子で嬉しく思いました。
またおじゃまします。
Sonny
2006/12/24 22:40
Sonnyさま、はじめまして。コメントありがとうございます。
我ながら、とてもおこがましくロリンズの名前をURLにつけてしまいました。「勢い」ということで、ご勘弁をお願いします。
お名前から察するに、やはりお好きなんですね。(Sonny Stittということもありえましょうか?)
いずれにいたしましても、わざわざコメントいただいた縁。どうぞよろしくお願いします。
アルフィーで正解、とおっしゃってくださって、何か、長い間背負っていたものが、すーっと楽になったような気がします。
実は、私はそのことが「トラウマ」になって、それ以後、リクエストをしない主義になったのです。
考えようによっては、店主や店員のセンスで、店の色合いがわかるのでは、などと、極めて手前勝手な理屈のもとにです。
あの時、アイラーを指差してしまったら、時々うなされて夜中に起きる事態になっていたかもしれません(笑)
またぜひいらしてください。
私もSonnyさんのブログを探し、お邪魔させてもらいます。
しゅう
2006/12/25 00:26
しゅうさん、
わざわざご訪問ありがとう御座いました。
せっかくトラックバックいただいたのですが、どういうわけか該当ページが1ページずれてしまっています。
こちらからページを張り替えることは不可能なのでお手数ですが
http://nonsy.blog15.fc2.com/tb.php/108-bdf9d772
の方へもう一度トラックバック願えますでしょうか。
ご面倒でしたらそのままでも結構です。
よろしくお願いいたしますm(__)m。
Sonny
2006/12/25 20:56
Sonnyさん
コメントをいただき、しかもお名前に感動し、トラックバックさせてもらいながら、逆にご迷惑をおかけして、すみませんでした。
おそらく、ブログ初心者の私の付け方が間違っていたのだと思います。
再度、トラックバックさせてもらいます。
これに懲りずに、どうぞよろしくお願いします。
しゅう
2006/12/26 23:27
今日(31日)と昨日(30日)ちぐさの見納めをしてきました。
コルトレーンとクリフォード・ブラウンで、楽しんできました。
青春期に本を読むところは、ちぐさかダウンビートでした。
イタリア留学を決心したのも、ちぐさのコーヒーを飲みながらでした。
コントラバスを直すときは、ちぐさの親父さんを思い出します。
吉田町の古本を買い、ちぐさで読み、福田さんの店で、ジャジャーメンと水餃子を楽しむのが、私の青春でした。アッディオ ちぐさ そしてありがとう。
           弦楽器製作家
ストラッド
2007/01/31 23:21
ストラッドさんにとって、とても大切なお店だったのですね。私は、残念ながら「最後」のちぐさを訪ねることができませんでした。そうですか。コルトレーンとブラウニーでしたか…。桜木町はとても好きな街なので、ジャジャーメンは食べました(笑)。横浜とジャズは、とてもつながりやすい感じがしますが、全国には、根っからのジャズ好きの方が、半ば商売を度返しして、常連客のために連日、大音量で名演を聴かせている店がたくさんあります。残ってほしいですね。
弦楽器製作家とは、素敵なお仕事で、当然ご苦労もあるのでしょうが、とてもうらやましく感じてしまいます。
今後も、どうぞ宜しくお願いします。
しゅう
2007/02/01 05:35

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